今開催されているのが「アネット メサジェ 聖と俗の使者たち」展。
アネット・メサジェは聖と俗、ユーモアと恐怖、愛と悲しみ、男性と女性、生と死など、人間の相反する複雑な内面を表現してきたフランス人女性アーティスト。2005年にヴェネチア・ビエンナーレのフランス館代表作家として金獅子賞を受賞したそうです。
ネットやチラシ等を見ると、一見「可愛いアート観賞ができるのでは」と思いきや、とんでもございません!
入館してすぐに、鳥の剥製のぶら下がり連続~~。ひょえ~

しかも鳥の死骸の顔には、ひきちぎった縫いぐるみの頭をかぶせてました。
仮面をかぶって人と接する現代社会を表現しているようです。
次の展示に移ると・・・「雀の死骸」の展示

作品タイトルは『寄宿舎たち』。
何十匹もの雀の死骸が綺麗に並べられて、毛糸で作った洋服を着せてあったり、鉄製の台座(お仕置き)や車輪の付いた台座に死骸がくくりつけられたものもありました。
毛糸の服を着せていることで一見愛情らしきものを感じるかもしれませんが、母親が子を思うような慈しみの愛ではなく、自分より小さく弱いものを自分の支配下に置くことで満足しているような嫌~な束縛を感じました。
何げなく、この美術展にお子様を連れていった親御さんもビックリされたと思います。
動物の剥製の他、バラバラに解体されたぬいぐるみの頭や手足、内蔵を表現したようなプクプク膨らんだり縮んだりするオブジェ、狂牛病で死んだ牛達、槍に刺さったぬいぐるみ達、等々奇妙な作品がたくさんありました。
私のイメージは、間違った愛情を受けながら育っている子供から見た現実、目の当たりにした生と死に触発された虚構の世界というイメージでした。
奇妙な作品の数々だけれど、作品には深い意味が込められているとは思います。
色々考えてほしい!と言っているような美術展でした。
p.s.音声ガイドは必要です
